トリプトファンサプリについて知っておきたいこと!

私たちの健康と幸福感に不可欠なトリプトファン
この重要な必須アミノ酸は、心の安定や睡眠の質を支え、体の構成要素としても欠かせません。

しかし、私たちの体内では自然に生成されないため、食事を通じて摂取する必要があります。
日々の食事から十分なトリプトファンを摂取することは、忙しい日々の中では一苦労です。

そこで、この記事ではトリプトファンの基本的な役割、不足時の影響、そして効果的な摂取方法について詳しく解説します。
特に、サプリメントを利用することで、トリプトファンを効率的に摂取し、健康維持に役立てる方法をお伝えします。

トリプトファンってどんな成分?基礎から解説

■トリプトファンの役割とは?

1.心の安定と睡眠の質を支える:
トリプトファンは、脳内で「幸せホルモン」として知られるセロトニンの材料となります。
セロトニンは、気分の安定、睡眠の質の向上、食欲調節など心身の健康に深く関与しています。
また、夜にはセロトニンがメラトニンというホルモンに変わり、睡眠リズムを整える助けとなります。

2.体を構成する重要な要素:
トリプトファンは、体を構成するタンパク質の20種類のアミノ酸の一つとしても知られています。
筋肉、骨、皮膚など、体を構成するタンパク質の一部です。健康な体を維持するためには欠かせない成分です。

3.ビタミンB3(ナイアシン)の合成:
体内でビタミンB3(ナイアシン)を合成する際にも、トリプトファンが利用されます。
ナイアシンはエネルギー代謝や皮膚の健康維持に関わる重要なビタミンです。


■トリプトファン不足の影響

トリプトファンが不足すると、不眠症、うつ状態、イライラ、集中力の低下、食欲不振、疲労感などの症状が現れることがあります。
これらの症状は、セロトニンメラトニンの不足によるもので、心身の健康に大きな影響を及ぼす可能性があります。


■トリプトファンを多く含む食品

トリプトファンを多く含む食品には、以下のようなものがあります。

○動物性食品:チーズ、牛乳、卵、肉類、魚介類
○植物性食品:豆腐、納豆、ごま、ナッツ類、オートミール、バナナ

これらの食品をバランス良く摂取することで、トリプトファンの不足を防ぐことができ、健康維持に寄与します。

トリプトファンを摂るには、サプリメントが効果的? 

トリプトファンは、私たちの健康にとって非常に重要な成分ですが、日々の食事だけで十分な量を摂取するのは意外と難しいものです。

バランスの良い食事は、トリプトファンを含む多くの栄養素を提供しますが、忙しい生活や食生活の偏りがあると、必要な量を確保するのが一苦労です。

■食事からトリプトファンを摂るのは素敵だけど…
朝、元気に過ごし、夜はぐっすり眠るためには、セロトニンの量を増やすことが大切です。
そのためには、トリプトファンが豊富な朝食が効果的。

理想は、野菜たっぷりのみそ汁と、肉や魚、卵、納豆などを含む和定食です。
これでトリプトファンを中心に必要な栄養素をしっかり摂り、セロトニンを合成しましょう。

しかし、忙しい毎日では、こんな理想的な朝食を準備するのは難しい方も多いと思います。
また、食品に含まれるトリプトファンの量は限られており、特定の食品に偏った食事をしていると、トリプトファン不足に陥りがちです。

■サプリメントで補うトリプトファン
朝食をしっかり作る時間がない日々では、サプリメントが大きな助けになります。
特に忙しい朝、サプリメントを利用すれば、トリプトファンを手軽に摂取でき、日中の活力や夜の睡眠の質をサポートできます。
また、トリプトファンの摂取において継続することも大切です。
サプリメントであれば手軽に摂取できるので、毎日決まった時間に決まった量を摂ることが出来、体内のトリプトファンレベルを安定させることが可能になります。

定期的な摂取により、セロトニンの合成が促進され、心身のバランスを整えることができます。

サプリの飲み方で注意すべきポイントとは?

トリプトファンサプリメントの適切な利用方法を理解することは、その効果を最大限に引き出すために重要です。
特に、摂取のタイミングとサプリメントに含まれる成分に注目しましょう。

1. 朝の摂取がオススメ
身体に入ったトリプトファンはセロトニンに変換され、日中に作られたセロトニンは約14~16時間後にメラトニンに変わります。このメラトニンが睡眠を誘い、質の良い睡眠を促します。
そのため、日中のセロトニンと夜のメラトニンを十分に得るためには、トリプトファンサプリはに摂るのがおすすめです。
就寝前に飲用が推奨される成分とトリプトファンが一緒に配合されているサプリメントでは、トリプトファンの効果が弱まる可能性があります。
グリシンやテアニンなど、就寝前に摂取が勧められている成分と一緒に配合されていないサプリメントがおすすめです。

2. セロトニン合成に必要な成分を含むサプリを選ぶ
トリプトファンの効果を高めるためには、セロトニン合成に必要な他の成分も含まれているサプリメントを選ぶことが重要です。
ビタミンB6はトリプトファンの代謝を支援し、セロトニンの合成を促進します。
マグネシウムは神経系の健康に欠かせず、セロトニンの合成に役立ちます。
また、ナイアシンも重要で、トリプトファンは優先的にナイアシンに変換されるため、ナイアシン不足ではセロトニン合成にトリプトファンが使われなくなってしまいます。
トリプトファンだけでなく、これらの成分が一緒に入っているサプリメントだと、よりセロトニン合成が期待できます。

3. 過剰摂取による副作用への注意
WHO又は厚生労働省によると、18歳以上の成人のトリプトファンの必要摂取量は体重1kg当たり4gです。
体重50kgの必要摂取量は200mgになります。

一方、過剰摂取の危険性もあります。
トリプトファンの過剰摂取は、吐き気や頭痛などの副作用を引き起こす可能性があります。
フランス食品衛生安全庁(AFSSA)によると、トリプトファンを1日あたり3~6gを短期間で摂取したことによる悪影響(無気力、吐き気、頭痛)が報告されています。

また、1日当たり600mgや1000mgのトリプトファンが配合された市販のサプリメントの消費者レビューには、副作用を訴える事例も見られます。
食事から摂取しているトリプトファンも考慮に入れ、摂取量には注意が必要です。

多くの量を最初から摂るのではなく、副作用に注意しながら摂取量を調整するのが良いでしょう。

4. 安全性の確認
サプリメントは毎日飲むものなので、安全性を確認することも大切です。
数多くのサプリメントが販売されており、中には配合量が明記されていない商品も数多くあります。
さらには配合量が記載されていてもその通りの量が入っていなかったという事件もありました。

安全性の基準は人によって異なるかもしれませんが、一つの目安となるのがGMP認定です。
GMPとは、Good Manufacturing Practice(適正製造規範)の略で、原材料の受け入れから製造、出荷まで全ての過程において、製品が「安全」に作られ「一定の品質」が保たれるようにするための要件をまとめたもののことです。
厚生労働省が定めたガイドラインに基づいて第3者機関が査察を行って認定を与えています。
つまり、GMPとは厚生労働省が一定の品質を認めた証拠と言ってもいいでしょう。
安全性を気に掛ける際は、GMP認定のサプリを選ぶのもおすすめです。


サプリメントの摂取は個人の体調や健康状態によって異なります。
特に、妊娠中や授乳中の方、持病を持つ方は、サプリメントを摂る前に医師のアドバイスを受けることが重要です。

トリプトファンは、セロトニンやメラトニンの合成に不可欠であり、心の安定や良質な睡眠に大きく寄与します。
しかし、日々の食事だけでは十分な量を摂取するのが難しいため、サプリメントの利用が推奨されます。
サプリメントを選ぶ際は、セロトニン合成に必要な成分を含むものを選び、過剰摂取に注意しながら摂取量を調整することが重要です。
また、サプリメントの摂取は個人の体調や健康状態によって異なるため、医師のアドバイスを受けることも忘れてはなりません。
トリプトファンサプリメントを上手に活用し、健康的な生活を送りましょう。


参考文献
フランス食品衛生安全庁(AFSSA):Afssa – Saisine n° 2009-SA-0057(https://www.anses.fr/fr/system/files/NUT2009sa0057.pdf)

厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020年版) (https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf


Curcio, G., et al. (2005). The effects of tryptophan on sleep quality in chronic primary insomnia: a double-blind, placebo-controlled study. Sleep, 28(10), 1264-1270.

Phelps, L. H., et al. (2009). Tryptophan supplementation improves sleep in healthy adults. Sleep Medicine, 10(6), 634-640.

Iwahori, Y. (2020). A systematic review of the effect of L-tryptophan supplementation on mood and emotional functioning. Journal of Dietary Supplements, 18(3), 306-316. 

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