幸せホルモン「セロトニン」を増やすおすすめ食品リスト

私たちの日常生活に不可欠な「セロトニン」は、幸福感や心の安定をもたらす重要な神経伝達物質です。

ストレスを和らげ、質の高い睡眠を促し、全体的な幸福感を高めてくれるこのホルモンのバランスを保つことは、日々の生活の中で重要です。
では、どのようにして自然にセロトニンレベルを高め、心身の健康をサポートすることができるのでしょうか?

この記事では、セロトニンの役割について説明した上で、セロトニンを増やすために役立つ食品リストと、バランスの取れたレシピもご紹介し、あなたの日常にポジティブな変化をもたらすための実践的なアドバイスを提供します。
心と体の健康を支えるセロトニンの力を最大限に引き出し、日々の生活をより豊かで幸せなものに変えるためのヒントがここにあります。

健康で幸せな生活を送れるよう、セロトニンを増やしていきましょう。

セロトニンとは?心と体に欠かせない幸せホルモン


セロトニンは、しばしば「幸せホルモン」と呼ばれ、私たちの心と体にとって非常に重要な役割を果たす物質です。
この神経伝達物質は、気分を安定させたり、良い睡眠を取るのを助けたり、食欲をコントロールするなど、さまざまな働きをします。


心の健康とセロトニン

セロトニンは心の健康を維持する上で重要な役割を果たします。
ドーパミンやノルアドレナリンといった他の神経伝達物質と一緒に働いて、気持ち安定などに貢献しています。
ドーパミンは「やる気ホルモン」とも呼ばれ、私たちが快感や達成感を感じるのに関係しています。
過剰になるとヒステリーを起こしたりパニックになったりします。
ノルアドレナリンは集中力や注意力を高めるのに関係していますが、過剰になると不安や恐怖を感じやすくなってしまいます。
セロトニンはこの両者のバランスをとる役割を担っており、セロトニンが足りないと、気分が落ち込んだり、不安を感じやすくなることがあります。
セロトニンの量が適切であれば、これらの神経物質が適切なバランスをとることができることで気分が安定し、ポジティブな感情を持ちやすくなります。

睡眠へのセロトニンの影響

セロトニンは、私たちの睡眠にも重要な役割を果たします。
夜になると、セロトニンはメラトニンという「睡眠ホルモン」に変化し、これが深い眠りを促します。
セロトニンが脳内に適切に存在すると、夜になるとメラトニンが十分に分泌され、良質な睡眠を支援します。
良い睡眠は、ストレスを軽減し、心を落ち着ける効果もあります。
セロトニンは、睡眠を通して私たちの心と体のバランスを整える重要な役割を担っています。

セロトニンの生成と分布

セロトニンは主に、必須アミノ酸であるトリプトファンから、ビタミンB6やマグネシウムの助けを借りて合成されます。
体内ではこれらを自ら生成することができないため、食事からこれらの栄養素を摂取することが重要です。
人体には約10mgのセロトニンが存在し、その大部分は腸などの消化器官に分布しています。
腸内で生成されたセロトニンは、腸の運動を促進する役割を担いますが、血液脳関門によって脳には届きません。
そのため、脳内のセロトニンは脳に運ばれたトリプトファンを使って別途生成されます。
脳内セロトニンは全体のわずか2%ですが、この少量が心理状態や睡眠に大きく影響を及ぼします。

セロトニンを増やしてくれる食べ物

セロトニンレベルを高めるためには、特定の栄養素が欠かせません。
これらの栄養素は、セロトニンの生成を助け、その働きを強化する役割を担います。
ここでは、セロトニンの生成に必要な主要な栄養素を紹介し、それらを豊富に含む食品や、健康的なレシピを紹介します。

セロトニン生成に必要な栄養素とその役割


トリプトファン: トリプトファンはセロトニンの主成分で、体内でセロトニンに変換されます。

ビタミンB6: トリプトファンの代謝を支援し、セロトニンの合成を促進します。心理的健康においても重要な水溶性ビタミンです。

マグネシウム: 神経系の健康に欠かせず、セロトニンの合成に役立ちます。また、心身のリラックスにも寄与します。

ナイアシン: トリプトファンはしばしばナイアシンに変換されるため、セロトニンの合成にナイアシンも重要です。心血管の健康やエネルギー代謝にも関与します。


《セロトニンを増やす栄養素を含む食品たち》
これらの栄養素を含む食品は多くありますが、比較的なじみがあって摂取しやすく、比較的含有量が多い食品をご紹介します。

トリプトファンを含む食品: 

食品  トリプトファン含有量 (100gあたり)
赤身肉    約300mg
鶏胸肉    約300mg
マグロ 約250mg
大豆製品(豆腐)  約60mg
アーモンド 約350mg

ビタミンB6を含む食品:

食品  ビタミンB6含有量 (100gあたり or 1本あたり)
玄米  約0.5mg
ほうれん草 約0.2mg
バナナ 約0.4mg


ナイアシンを含む食品:

食品 ナイアシン含有量 (100gあたり)
レバー 約15mg
マグロ 約8mg
鶏肉 約10mg

マグネシウムを含む食品:

食品  マグネシウム含有量 (100gあたり)
玄米 約130mg
ほうれん草 約79mg
アーモンド 約270mg

セロトニンを増やす料理レシピ
「トリプトファン」と「ビタミンB6」の摂取は、特に同時に行うことが効果的です。
ただし、ビタミンB6は加熱によって失われやすいため、調理法には注意が必要です。
短時間で調理でき、栄養価を高く保つ方法として、炒め物や軽く煮た料理が適しています。
ここでは、これらの栄養素を効率的に摂取できる、手軽で美味しいレシピをご紹介します。

《バランスの良いチキンサラダ》


材料と作り方の紹介:
材料: 鶏胸肉(トリプトファン源)、ほうれん草(ビタミンB6とマグネシウム)、アーモンド(トリプトファンとマグネシウム)、トマト(ナイアシン)、オリーブオイル、レモン汁、塩、黒こしょう。
作り方:
鶏胸肉を茹でて一口大に切ります。
ほうれん草を洗い、ざっくり切ります。
ボウルにほうれん草、鶏胸肉、アーモンド、トマトを加えます。
オリーブオイル、レモン汁、塩、黒こしょうで味付けし、よく混ぜ合わせます。

このチキンサラダは、セロトニンの合成に役立つ栄養素をバランス良く含み、調理も簡単です。栄養満点で美味しいこの一品で、セロトニンレベルを自然に高めることができます。ぜひ試してみてください。



セロトニンを効果的に摂るために気をつけたいポイント


セロトニンの生成を最大限に活用するためには、栄養バランスの取れた食事と健康的な生活習慣が不可欠です。
以下に、セロトニンレベルを自然に高めるための重要なポイントを挙げます。

栄養バランスの良い食事

セロトニンレベルを自然に高める方法の一つは、多様な栄養源からバランス良く食事を取ることです。トリプトファン、ビタミンB6、ナイアシン、マグネシウムを含む食品を組み合わせることで、セロトニンの生成を効果的にサポートすることができます。
この他、実は炭水化物の摂取も大切です。炭水化物を摂取した際にインスリンが分泌されますが、このインスリンがトリプトファンの脳内への輸送を促進してくれるのです。ただし、全粒穀物や豆類、果物などの健康的な炭水化物を選ぶなど、摂りすぎには注意してください。

適度な運動

定期的な運動は、セロトニンレベルを自然に高める効果があります。特に、軽いジョギングやウォーキング、ヨガなどの穏やかな運動は、ストレスを軽減し、気分を高める効果があります。これらの運動は、セロトニンの生成を促進し、心身のリラクゼーションに寄与します。毎日短時間又は軽いレベルでもよいので、運動を日常生活に組み込んでみてください。

朝日を浴びる

日光、特に朝の光はセロトニンの生成を助けます。朝日を浴びることで、セロトニンの自然な生成リズムがサポートされ、一日の気分が向上します。朝の散歩やジョギングを取り入れることで、運動と日光浴の両方の利点をうけることができるのでおすすめです。そんな時間や余裕はない場合などは、窓際で太陽の光を浴びるだけでも効果があることがわかっています。忙しい方は手軽にできるこの方法で、心と体のリズムを整えてください。

腸内環境の改善

セロトニンの大部分は腸で生成されるため、腸内環境の健康がセロトニンレベルに直接影響します。発酵食品(ヨーグルト、キムチ、納豆など)や食物繊維が豊富な食品を摂取することで、腸内細菌のバランスを整え、セロトニンの生成をサポートすることができます。また、水分摂取を十分に行うことも、消化と栄養素の吸収を助け、腸内環境を改善します。

これらのポイントを日々の生活に取り入れることで、セロトニンレベルが高まり、心身の健康をサポートすることができます。
小さな習慣でも継続することで、長期的な心の安定と幸福に繋がります。
できることからでよいので、ぜひ実践してください。

幸せホルモンセロトニンを増やして、充実した日常を


私たちの幸福感や心の安定に不可欠な「セロトニン」の大切な役割と、そのレベルを自然に高める方法について解説しました。
セロトニンは、私たちの毎日における幸せと健康な生活のバランスに重要な神経伝達物質です。

ご紹介したポイントを実践することで、セロトニンレベルが向上し、心と体の両方を豊かにすることができます。
日常に小さな変化を加えるだけで、大きな幸福感へとつながります。
この知識を活用して、より満足のいく毎日をお過ごしください。

参考文献
Banskota, S., Ghia, J.-E., & Khan, W. I. (2019). Serotonin in the gut: Blessing or a curse. Biochimie, 161, 56-64. 

Cangiano et al. (1983). On the stimulation by insulin of tryptophan transport across the blood-brain barrier. Biochemical International, 7(5), 617-627. 

食品成分データベース|文部科学省

日本人の食事摂取基準(2020年版)|厚生労働省

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