トリゴネリンとは? 話題の成分を解説!

コーヒーの香りや風味には多くのファンがいますが、実はコーヒーの生豆には「トリゴネリン」という成分が豊富に含まれています。
このトリゴネリンは、焙煎する過程で大部分が分解されるため、通常のコーヒーにはほとんど含まれていません。
しかし、この成分には脳や血管の健康をサポートする効果があると言われています。
では、トリゴネリンが持つ具体的な効果とは何でしょうか?
また、トリゴネリンを摂取する際の注意点や効果的な摂取方法はあるのでしょうか?

この記事では、トリゴネリンの持つ魅力や効果、摂取時のポイントについて詳しく解説していきます。

1.トリゴネリンとは?

トリゴネリンという成分は、私たちの身近な食品や飲み物に含まれる化合物の一つであり、特にコーヒー愛好者にとっては耳にする機会が多いキーワードです。この成分には健康に良い影響があるとされ、近年ではその効果やコーヒーとの関係性に注目が集まっています。

トリゴネリンはアルカロイドと呼ばれる一種の化合物であり、その名前はギリシャ語の「トリゴノス」(三角形)に由来し、化学構造が三角形を思わせることから名付けられました。この成分は、コーヒーの生豆をはじめ、セロリや大根、海産物などの食品にも含まれています。

コーヒーは世界中で愛される飲み物であり、その成分は多岐にわたります。その中でも、トリゴネリンは近年特に注目を集める成分の一つです。コーヒーの生豆には、カフェインとほぼ同量のトリゴネリンが含まれていますが、焙煎によってトリゴネリンの量は減少します。この焙煎過程での変化は、コーヒーの風味や香りに影響を与える要因の一つとされています。※1
興味深いことに、トリゴネリンは加熱によってニコチン酸に変化しますが、これはタバコに含まれるニコチンとは異なり、ビタミンB3の一種であるナイアシンに分類されます。

トリゴネリンはコーヒー豆以外の食品や植物にも含まれていますが、その含有量は焙煎の度合いやコーヒーの淹れ方、コーヒー豆の品種や成熟度、栽培地域によって異なります。これらの要因は、コーヒー豆の風味や香り、そして色合いにも影響を与えるとされています。

コーヒーにはカフェインやクロロゲン酸など、多くの成分が含まれていますが、トリゴネリンもその一つです。近年、コーヒーの健康効果に関する研究が進められており、その中でもトリゴネリンの健康効果に対する注目が高まっています。国立がん研究センターが行った研究では、1日5杯未満のコーヒー摂取が死亡リスクの減少につながる可能性が示されており、これによってコーヒーの健康効果に対する期待が一層高まっています。※2

ただし、トリゴネリンを効果的に摂取するためには注意が必要です。焙煎後のコーヒーにはほとんどトリゴネリンが含まれていないため、トリゴネリンを摂取したい場合は特別に加えられたコーヒーなどを選ぶ必要があります。また、カフェインの摂取量にも注意が必要であり、摂取量が過剰になると不眠や動悸、頭痛などの症状を引き起こす可能性があります。

トリゴネリンを摂取する方法は、サプリメントや特定の食品を選ぶことで可能です。健康食品やドリンクにもトリゴネリンを含むものがあり、これらを利用することで日常的にトリゴネリンを摂取することができます。ただし、製品選びには注意が必要であり、成分表示や含有量、他の成分との組み合わせについて慎重に確認することが重要です。

トリゴネリンはその多様な健康効果から多くの人々に注目されていますが、安全に摂取するためには適切な量と方法を心がけることが大切です。健康的なライフスタイルを追求する上で、トリゴネリンの効果を最大限に活かしましょう。
※1)中林 敏郎、政野 光秋、焙煎によるコーヒー豆のトリゴネリンとカフェイン含量の変化、日食工誌33, 725-728 (1986).
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk1962/33/10/33_10_725/_article/-char/ja/
※2)https://epi.ncc.go.jp/can_prev/evaluation/8443.html

2. どんな効果がある?

近年、コーヒーの健康効果が世間で注目を集めています。この注目に伴い、コーヒーの生豆に含まれるトリゴネリンの健康効果に関する研究がますます活発化しています。

まず、トリゴネリンは脳の健康を支援する点で特に注目されています。この成分は、脳の神経細胞を活性化させる効果があるとされています。具体的には、脳の神経細胞の成長を促進し、認知症の予防や脳の健康維持に寄与すると考えられています。※3
特に、富山大学名誉教授である服部征雄教授の研究によれば、トリゴネリンがヒトの脳の神経細胞に新たな回路を形成する可能性が示唆されています。

さらに、トリゴネリンは血管の健康を守る効果もあるとされています。この成分には、血管の内皮機能を改善する効果が報告されており、それによって血流の改善や動脈硬化の予防など、心血管系の健康を促進する可能性があります。

また、トリゴネリンはアルツハイマー病の予防にも有効であると考えられています。この成分は、アルツハイマー型認知症の脳の状態に対して、神経の回路網の再構築を促進する効果があるとされています。これにより、認知症の進行を遅らせる効果が期待されます。ラットの神経細胞に障害を与えた実験では、トリゴネリンが神経突起の萎縮を有意に抑制する効果を示しています。

トリゴネリンの摂取方法は焙煎されたコーヒーにはほとんど含まれていないため、サプリメントや特定の食品を選ぶ必要があります。ただし、幸いなことに、健康食品やドリンクにもトリゴネリンを含む商品が市場に登場しており、これらを利用することで日常的にトリゴネリンを摂取することが可能です。※4

トリゴネリンはその多彩な健康効果から、今後の研究や健康食品の分野での利用が期待されています。その効果を最大限に引き出すためには、適切な摂取方法を選択し、積極的に取り入れることが重要です。

こうした研究の結果から、トリゴネリンは単なる食品成分にとどまらず、健康の維持や疾病の予防においても重要な役割を果たすことが示唆されています。今後のさらなる研究や臨床試験により、その効果や摂取方法に関するさらなる詳細が明らかにされることが期待されます。

トリゴネリンの健康効果は多岐にわたりますが、その摂取に関する正確なガイドラインが必要です。消費者がトリゴネリンを効果的に摂取するためには、医師や栄養士との相談が不可欠です。また、食品メーカーや政府機関も、トリゴネリンを含む食品の開発や摂取方法の指導において、重要な役割を果たすことが求められます。

今後もトリゴネリンに関する研究は進み、その健康効果や摂取方法についての理解が深まっていくことでしょう。この成分が私たちの健康と幸福に与える影響をより良く理解し、その効果を最大限に活用するために、科学と共に歩み続けることが重要です。

※3)東田 千尋ほか、コーヒー成分トリゴネリンは脳神経ネットワーク再構築を促すか?--抗痴呆薬開発への可能性を探る、食品工業44(8),27-32(2001)
※4)Mai M. Farid, 長瀬 綸沙ほか、Trigonella foenum-graecum 種子エキスのアルツハイマー病モデルマウスへの作用と活性成分の脳移行性、日本食品化学学会誌28, 2, 63-70(2021)
https://u-toyama.elsevierpure.com/en/publications/effects-of-trigonella-foenum-graecum-seeds-extract-on-alzheimers-

3. 注意するポイントはある?

トリゴネリンの健康効果についての注目が高まる中、安全に摂取するためのポイントについて詳しく解説します。

焙煎後のコーヒーとトリゴネリン
トリゴネリンは熱に弱く、200度以上の熱で分解される性質があります。このため、焙煎後のコーヒーにはトリゴネリンはほぼ含まれていません。浅煎りコーヒーなど、低温で焙煎されたコーヒーにはトリゴネリンが含まれることがありますが、通常のコーヒーには含まれていないのが現状です。したがって、通常のコーヒーを楽しみつつトリゴネリンを効果的に摂取するためには、特別にトリゴネリンを加えたコーヒーなどを選ぶ必要があります。



カフェインの摂取量に注意
コーヒーはカフェインも含まれているため、トリゴネリンを摂取する目的でコーヒーを飲む場合、カフェインの摂取量にも注意が必要です。カフェインの過剰摂取は、不眠や動悸、頭痛などの症状を引き起こすことがあります。特に、カフェインに敏感な方や、高血圧の方は摂取量に注意することが重要です。

トリゴネリンの摂取方法
トリゴネリンを効果的に摂取するためには、サプリメントや特定の食品を選ぶ必要があります。市場にはトリゴネリンを含む健康食品やドリンクも登場しており、これらを利用することで日常的にトリゴネリンを摂取することが可能です。ただし、製品を選ぶ際には、成分表示をよく確認し、トリゴネリンの含有量や他の成分についても確認することが重要です。

トリゴネリンはその健康効果から多くの人々に注目されていますが、安全に摂取するためには上記のポイントを注意深く守ることが必要です。トリゴネリンを摂取する際は、適切な量と方法を心がけ、健康的なライフスタイルを追求しましょう。

以上のポイントを踏まえて、トリゴネリンの摂取を検討する際は、個々人の健康状態や体質に合わせて慎重に行うことが重要です。また、専門家のアドバイスや医療機関の指導を受けることも大切です。

4. まとめ

トリゴネリンは、その多岐にわたる健康効果から多くの研究者や健康志向の人々に注目されています。

特に、脳の健康や血管の健康に関する効果が明らかにされており、日常生活での摂取が推奨されています。

しかし、摂取する際には熱による分解やカフェインの摂取量など、いくつかの注意点が存在します。
適切な知識と方法でトリゴネリンを摂取することで、その健康効果を最大限に活かすことができるでしょう。

今後もトリゴネリンに関する研究は進められることが期待されており、さらなる健康効果の発見が待たれます。

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