幸福ホルモンを高める?トリプトファンとは

わけもなくイライラしたり何かを始めようとする時に楽しみよりもストレス、億劫さが先立ってしまう…。

そんな不調はもしかすると、幸せホルモンの材料となる「トリプトファン」が不足・減少しているサインなのかもしれません。

今回のコラムのメインテーマとなるトリプトファンは、ストレスをケアし内面の健やかさをサポートする成分のため不足するとイライラや不安を感じやすくなる心配が…。

ストレスに負けない心身を育てていくために、

・トリプトファンの成分の特徴
・幸せホルモンを作る仕組み
・含有の多い食べ物、摂り方、注意点

をここでぜひ参考にしてくださいね。

トリプトファンってどんな成分?

最近頻繁に見聞きすることが増えてきた幸せホルモンですが、いったいどのようにして作られ増えていくのか、ストレスが原因の不調に悩む人は特に気になるのではないでしょうか?

幸せホルモンの原料となるトリプトファンについて、ここではさらに詳しい特徴や作用の仕組みを解説していきたいと思います。

幸せホルモン「セロトニン」を作るアミノ酸の一種

トリプトファンは普段の食生活で摂り入れることが頻繁にある、身近な食べ物に含まれたアミノ酸の一種のことを言います。

ひとことにアミノ酸と言ってもトリプトファンには、

・メンタル面を健やかに、プラスの感情を呼び寄せるセロトニンの材料となる
・セロトニンが増えると質の良い睡眠サイクルに整うメラトニンの生成も安定する

というマルチな作用・効果を持っています。

ストレスケアや睡眠の質向上に働きかける食べ物・栄養はいくつも存在していますが、トリプトファンは体内では生成できない性質を持ちます。

そのためイライラや不安感、睡眠の質に悩む人にも、トリプトファンはストレス耐性の強化に食べ物やサプリメントからの継続的な摂取が必要となるのです。

心身の若々しさにアプローチする

トリプトファンで生成される幸せホルモン・メラトニンは、これまでにお伝えした特徴から「メンタル面、睡眠の質へのアプローチ」というイメージを強く感じたかもしれません。

ですがトリプトファンはストレスケアや睡眠の質を整える以外にも、心身や細胞の若々しさをサポートする、エイジングケア作用が備わっています。

サプリメントや含有の多い食べ物からこの成分を摂り安定的にセロトニンが生成されると、ストレスや疲労、紫外線ダメージなどで大量に発生する活性酸素の抑制に働きかけます。

活性酸素にはそもそも、細胞や血管、血液、皮膚の老化を促す作用があるため、トリプトファンを摂り続けるほどに心身や見た目の若々しさを維持できるようになるのです。

自律神経のゆらぎによる不調を整える

トリプトファンは自律神経の乱れによる、心身のさまざまな不調をケアする働きも備えています。

ストレスや不安感を常に抱いていると、心身のコンディションを左右する自律神経も疲弊してバランスが崩れてしまいます。

自律神経の乱れは、

・興奮、血管収縮、緊張のもととなる交感神経が優位に立つ
・血管を拡張しカラダを温めたり、緊張やストレスを鎮める副交感神経の働きが弱くなる

という状態になるため頭痛や肩こり、腰痛、冷えなどの不調が出やすくなります。

トリプトファンの摂取は緊張や興奮で過度に作用している交感神経の働きを鎮め、副交感神経を優位に立たせます。

すると両方の自律神経のバランスが整い、心身に出やすい不調の緩和と予防にアプローチできるのです。

トリプトファンはどんな食べ物に含まれている?

常態化したストレスや睡眠トラブルに悩む人に、トリプトファンは救世主的な成分だと感じますね。

トリプトファンは身近な食べ物に含有があるとお伝えしましたが、いったいどんな食品で成分を摂ることができるのでしょうか?

カラダの内側からストレスをケアできる、トリプトファン含有の食べ物をさっそく見ていきましょう。

チーズ、ヨーグルトなどの乳製品

チーズ、ヨーグルトなどの乳製品に含有が多いトリプトファンは、肉類・魚類に含まれるビタミンB群と一緒に補うことで吸収や体内への保持力が高まると言われています。

乳製品の種類ごとに、100g(ml)あたりのトリプトファンの含有量をまとめてみました。
今日からの食生活に以下の乳製品とビタミンB群食品を組み合わせて摂り入れてみましょう。

・牛乳に含まれるカゼイン:100mlあたり1100㎎
・パルメザンチーズ:590㎎
・脱脂粉乳:470㎎
・ヨーグルト(無脂肪、無糖タイプ):59ml

大豆、豆腐、納豆などの豆からなる食べ物

トリプトファンをバランスよく補いながらストレスケアに役立つ食べ物は、豆腐や納豆、豆乳なども効果的です。

大豆をベースにして作られる食べ物は、トリプトファンの摂取以外にもストレスや不安感でコンディションが揺らぐ女性ホルモンのバランスにもアプローチできます。

トリプトファンを含む大豆製品の種類と100g(ml)当たりの含有量を以下にまとめてみました。ストレスやホルモンバランスのケアにさっそく摂り入れてみましょう。

・大豆に含まれる分離大豆タンパク:1200㎎
・凍りタイプの豆腐:750㎎
・湯葉:710㎎
・きな粉:510㎎
・豆乳:47㎎

ナッツ類全般

ヘルシーなおつまみ・おやつとして食べる人が増えているナッツ類全般も、トリプトファンを多く含む食べ物のひとつです。

ナッツ類全般はトリプトファンをはじめ、ストレスによる血流の悪さ・冷えの緩和・予防にや活性酸素の抑制にも役立つビタミンEが豊富に含まれています。

ストレスやエイジング、冷えなど女性の不調に役立つ栄養も豊富なナッツ類について、種類ごとにトリプトファンの含有量(100gあたり)をチェックしてみましょう。

・パンプキンシード(かぼちゃの種):510㎎
・あまに:410㎎
・ゴマ、カシューナッツ:360㎎

トリプトファンの上手な摂取方法

ストレスやアンチエイジング、睡眠の質とマルチな作用を持つトリプトファンは、シーズン問わずに入手しやすい食べ物にばかり含有されているんですね。

トリプトファンが持つさまざまな恩恵をカラダとココロで感じ取るために、ここでは上手な摂り方と注意点の両方を一緒に見ていきましょう。

1日の目安摂取量を守り、継続すること

トリプトファンのさまざまな恩恵を実感するためには、

・1日の摂取目安量、体重1㎏につき4.0㎎を摂取(50㎏の場合は50×4で200㎎)
・毎日欠かさずに続ける
・最低でも3ヶ月間は続けてみること

ことがポイントです。

そのため体重に沿った量のトリプトファンを摂り、新陳代謝のサイクルに合わせた3ヶ月の摂取を目安に継続してみましょう。

また過剰な摂取をしてもトリプトファンの効果が高まるわけではなく、逆に栄養バランスが崩れて心身の不調につながることもあるため、目安摂取量を正しく補うことが大切です。

ビタミンB6と一緒に補う

ニンニクや米ぬか、トウガラシ、肉類全般に含有が多いビタミンB6は、トリプトファンで作られるセロトニンのメラトニン生成をサポートする栄養成分と言われています。

ストレスやホルモンバランス、自律神経の乱れなどビタミンB6はメンタル面の健康を助ける代表的な栄養のため、トリプトファンと一緒に摂って相乗効果を高めていきましょう。

まとめ

頻繁に感じることが多いストレスや不安感、睡眠リズムの乱れも、トリプトファンなら美味しく有意義なケアができそうですね。

今日からの食生活にさっそくトリプトファンをプラスして、ストレスや不安感に負けない健康的なメンタルと安定の睡眠リズムを取り戻していきましょう。

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